3話「迷宮の囚人(プリズナー)」


  ラミア接続解除。ブリッジ
テツヤ「敵の行動パターンが?」
リョウト「はい、以前のものに戻っているようです」
ギリアム「それでこちらの手が通用するようになったのか」
テツヤ「しかし何故?」


  バルトールが特攻してくる。格納庫
リョウト「ギリアム少佐」
ギリアム「リョウト、あのバルトールを起動させてくれ」
リョウト「え?」
ギリアム「それで博士の意思を知ることが出来るかもしれん」


  ヘルゲート周辺にバリア
リョウト「あ、あれは……!?」
ギリアム「イージスの盾……」
リョウト「?」
ギリアム「そのプロトタイプを完成させていたとはな……」


  ヘルゲートに輸送船
ギリアム「あの輸送船で大量のバルトールを地球やコロニーに運ぶ気か」
リョウト「そして、大勢の人たちを生体コアとして取り込む」
ギリアム「だが、それだけでは終わるまい」
ゼンガー「どういうことだ?」
ギリアム「ユルゲンの真の目的はその先にあるはずだ」
レーツェル「なるほど。そのために博士はODEシステムを改造したのか」
ギリアム「ああ。様々な知識や情報を共有するだけでなく、人々の意思そのものを……」
レーツェル「……」


  ラミアに薬物注入
ラミア「お前達に同胞を撃つ事は出来まい」
キョウスケ「誰だ!?」
ラミア「同胞を失う悲しみには耐えられまい。それが人間の弱さ。故に私はODEシステムを作り変え、そして……」
ギリアム「むしろ、ユルゲン博士か?」


  中枢部
ユルゲン「人類はODEシステムによってその叡智を集結させ一丸とならねば、脅威に打ち勝てない」
キョウスケ「だが、俺たちはインスペクターやアインストを退けた」
ユルゲン「しかし、お前達の対応が遅れたため大切なものを失った人間がいる。創造主、ユルゲンのように」
キョウスケ「!?」
エクセレン「ちょ、ちょい待ち! あなたはユルゲン博士じゃないの!?」
ユルゲン「そう、そのとおりだ」
ギリアム「ユルゲンという個体ではなく、バルトール全ての意思……ということか」
リョウト「じゃあ、博士はもう……」
   (中略)
ユルゲン「ODEシステムによる意思の統合で、人は苦しみや悲しみから解放され、更なる進化を遂げる。故に、私はそれを妨げる規格外の個体を排除してきた」
エクセレン「じゃあ、あの時バルトールの性能が落ちたのは……」
ギリアム「ラミアという規格外の個体が全体に影響を及ぼしたせいか」
リョウト「では、バルトールが今まで僕たちを取り込もうとしなかったのは……」
ギリアム「我々がまさに規格外の集団だったからだろうな」


  中枢部破壊
リョウト「あ……! これは……!?」
ギリアム「どうした!?」
リョウト「ヘルゲートから膨大な量のデータが……いったい……」
ギリアム「……!」


  バルトール機能停止
テツヤ「しかし、何で連中は動きを止めたんだ……」
リオ「ユルゲン博士のバルトールが、破壊されたからでしょうか……」
リョウト「それは違うと思うよ」
リオ「あ……リョウト君……」
リョウト「ODEシステムは人間の意志や知識を統合し、膨張していった……けど……」
ギリアム「それゆえにそこから先の進化が困難になってしまったのだろう」
レーツェル「つまり、進化の袋小路に陥ってしまったというわけか」
ギリアム「ああ。優れた力を得たものが必ず生き残れるとは限らん。
 結果的にODEシステムは進化の袋小路を進むのを逸り行き詰ってその機能を自ら停止させた…………
 あるいはバルトールの生体コア、すなわち人間そのものが統合には適さぬ素材だったせいなのかもしれんな」



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