2話「ヒトという部品(パーツ)」


  本編Aパート冒頭、ブリーフィングルーム
ギリアム「ODE システム……かつてビアン・ゾルダーク博士が責任者を務めていたEOTI 機関において
基礎研究が進められていたネットワークシステムだ」
ライ「では、ODE システムはEOTI 機関を元にして武装決起したディバイン・クルセイダーズ、DC と関係が?」
キョウスケ「だが、そのDCは既に壊滅している」
テツヤ「それに、バルトールはインスペクター事件以後、ウォン重工業が開発した機体だ。DCと直接的な関係があるとは思えんが?」
ギリアム「そう、戦後ウォン重工業にODEシステムをもたらし、バルトールを開発した人物がいる」
キョウスケ「名は?」
ギリアム「ヴィルヘルム・フォン・ユルゲン博士。かつてのEOTI機関、そしてDCに所属していた男。
彼が対異星人専用の機動兵器ネットワークシステム、オムニデンドロエンセンフォロン、通称ODEシステムの開発者だ」
エクセレン「機動兵器のネットワーク……もしかして、それで無人機をコントロールするとか?」
  (場面転換、オペレーターたちのやりとり)
ギリアム「ODEシステムは最小限の人員で多数の無人機を制御するためのものだ」
ライ「ですが、捕獲されたバルトールの中には女性が」
ギリアム「ああ。事前にウォン重工業から連邦軍へ提出された資料とはその点が異なっている」
リュウセイ「異なってるって……もしかして」
ライ「トライアル用として連邦軍に提出されたバルトールはスケープゴートだということか」
アヤ「軍は欺かれたのね。ウォン重工業やユルゲン博士に」
リュウセイ「でもな、いくら何でも人間をあんな風にしちまう量産機なんて」
ギリアム「そう。現状のODEシステムは生体コアとして人間を必要とする」
アヤ「生体コア!? もしかして、連邦軍の軍人を!?」
ギリアム「いや、コアは軍人でなくても構わない。現に、あのバルトールの中にいた女性は……」
リュウセイ「まさか、民間人!?」
ギリアム「そう。ウォン重工業の一般社員だ。そして最初の襲撃で行方不明になった者達は、軍人も民間人もまとめてバルトールに拉致された」
キョウスケ「自分達の部品として使うためか」
エクセレン「でも、全部のバルトールがそうだと決まったわけじゃないんでしょう? それに晴海では何人か残されてたって」
ギリアム「そのとおり。現場には赤ん坊が三人、中年の男が一人、それにヒュッケバインのパイロットが二人」
ヴィレッタ「たったそれだけ……?」
キョウスケ「彼らが置いていかれた理由は?」
ギリアム「今全員の経歴、その他の共通点を遺伝子レベルまで調べているところだ」


  バルトールが人間を回収している映像
リオ「人間を集めてどこかに運んでいる?」
エイタ「何のために?」
???「もちろん」
「!?」
  振り向くと入り口にギリアムが
ギリアム「バルトールの部品にするため」
リュウセイ「っ!」
ギリアム「連邦大学といえば世界でも五指に入る優秀な大学。人材の宝庫だ。バルトールはよりよい部品として優れた知能や技能を持った人間を選別しはじめたのだろう」
キョウスケ「選別?」
ギリアム「ああ。自らの能力を向上させるためにな」
エクセレン「人間の知恵を沢山集めて更にパワーアップしようってのね」
ブリット「それじゃあ、クスハやラミアさんたちは……」
ギリアム「数々の激戦を潜り抜けてきた彼女らが持つ技能や知識、経験は彼らにとって非常に貴重なデータのはず」
リュウセイ「!!」
ギリアム「それをすぐに手放すような真似はしないだろうが、いずれは……」
リュウセイ「バルトールの部品にされちまうかもしれねえってことか……」
キョウスケ「迷っている時間はないぞ、リュウセイ」
リュウセイ「!」
キョウスケ「今おれ達が戦わなければ、あそこにいる人々は全て部品にされることになる」
リュウセイ「あ、ああ……わかってる。わかってるよ……」
リョウト「リュウセイ、さっきバルトールの中にいた女性の死亡が確認されたんだ。バルトールに取り込まれた人間はまず助かる見込みがないと思う」
リュウセイ「くっ……」


  主砲撃墜ゼロ
ギリアム「もしやバルトールは、ODEシステムによってこれまでの戦闘データを
  他の機体に転送、共有しているのかもしれん」
エイタ「それじゃあ、今戦っている相手も前の戦闘データを持っているんですか」
ギリアム「おそらく同じ攻撃は効果あるまい」
キョウスケ「なるほど、晴海でこちらの攻撃が回避されたのはそのためか」
ギリアム「しかしあのバルトールの数……」
テツヤ「極秘裏に相当数があらかじめ用意されていたということですか」
ギリアム「ああ。ウォン重工業の製造工場でな」
テツヤ「もしや、そこにユルゲン博士が!?」
ギリアム「それはわからん。彼の消息は未だつかめていない」
   (エクセレンがEモード撃とうとして止められたり)
ギリアム「バルトールは捕獲した人間の数が増えるほど知識や経験の量が増し賢くなっていく。 一刻も早く侵攻を止めなければ取り返しのつかないことになる」
テツヤ「それに今回の事件の首謀者と思われるユルゲン博士が大連にいるかもしれん。至急調査に向かってくれ」


  Bパート。敵の動きが急に強化。
リョウト「間違いありません。多少のアレンジは入っていますが、
  敵機のモーションパターンはラミアさんのものです!」
リオ「リョウト君、もしかして!?」
リョウト「ううん。あのバルトール群から生体反応は検出されていない。だけど……」
ギリアム「ラミア少尉のデータがODEシステムによって各バルトールへ転送されたのは確実か」
ラミア「データ収集……解析……転送……」
リオ「じゃ、じゃああのバルトールは!?」
ギリアム「ああ。ラミア少尉のデータを共有している」
エイタ「あ、あいつら全部エースパイロット級の能力を持ってるってことですか?」
ギリアム「残念ながらそうなる」
   (SRXチームが押されたり)
ギリアム「戦闘が長引けば、不利になる一方だ……パターンOOCの解除許可を」
テツヤ「! 彼らにあれをやらせろと!?」
ギリアム「ああ。多数の敵を短時間で殲滅するにはな」


  ブリーフィングルーム
ギリアム「先程宇宙軍から報告が入った。BD1120付近でバルトールが多数確認されたそうだ」
クロ「そこにニャにかあるの?」
ギリアム「先の戦いでインスペクターが奪取して使用していたプラントがある」
マサキ「だったら問題はねえだろ。あいつらはもういねえんだし」
ギリアム「だが、戦後プラントの修復が行われた。その作業を担当したのはウォン重工業だ」
リュウセイ「何!?」
ライ「やはり大連の工場はおとり……!」
アヤ「本命はそのプラントね」
ヴィレッタ「艦長、これから私達は?」
テツヤ「プラントへ向かい、敵の本当の目的を調べる」
ギリアム「ユルゲン博士はプラントにいる可能性が高い。彼を捜し出しODEシステムを止められればベストだ」
マサキ「俺達だけでかよ!」
テツヤ「そうだ。他の部隊は月やコロニーの防衛にまわる」
マサキ「やれやれ。また貧乏クジを引いちまったなあ」
クロ「これもお約束ニャ」
マイ「でも、これでラトゥーニ達を助け出せるチャンスが……!」
リュウセイ「ああ! 調査だけで済ませる気なんてねえぜ」
マイ「うん」
テツヤ「ただし、我々に与えられた時間は180分。それを過ぎ状況に進展がなければ、宇宙軍がプラントに対し核攻撃を仕掛ける」
「!!」
ギリアム「時間が経てば経つほど、バルトールはその数を増やし能力を向上させる。そうなる前に、上層部は力押しでプラントを潰す気だ」
キョウスケ「時間勝負だな……」
エクセレン「そうね……」
ブリット(待っていてくれ、皆。俺達が必ず助け出す……!)



1話へ    3話へ



戻る

inserted by FC2 system