6話「群れなす機械」


  シナリオデモ テスラ・ライヒ研究所
ダイアン「タカクラチーフ、連邦軍情報部の ギリアム・イェーガー少佐から通信が入っています」
ツグミ「ありがとう、ダイアン。 セキュリティレベルをトリプルAにして、 こちらへ回して」
ダイアン「わかりました」
ギリアム「久しぶりだな、タカクラチーフ」
ツグミ「ご無沙汰しています、少佐」
ギリアム「突然すまない。 フィリオ少佐が留守だと聞いたのでな。 君を呼び出してもらった」
ツグミ「いえ、お気遣いなく。 少佐の代行は、私が務めることになっていますから」
ギリアム「彼の具合は……良くないのか?」
ツグミ「……少佐には正直にお話します。 フィリオ少佐の病状は悪化の一途をたどり、 もうすぐ日常生活を送るのも不可能になるそうです」
ギリアム「病魔はそこまで彼の身体を 蝕んでいたか……」
ツグミ「今はカザハラ所長の勧めもあり、 少しでも身体を休めるために療養しています」
ギリアム「そうか……。 カザハラ所長も、彼に同行しているのか」
ツグミ「はい……。 ですが、少佐……このことは……」
ギリアム「アイビスには伏せておくのだな?」
ツグミ「はい……。 それが彼の……フィリオの望みですから」
ギリアム「………」
ギリアム「ところで、用件についてだが…… EOTI機関やDCで開発が進められていたと言う AMNシステムのデータをこちらへ回してもらいたい」
ツグミ「その理由は……ミロンガですか?」
ギリアム「気づいていたか。 AMNシステムが、あの機体へ搭載されていることに」
ツグミ「ええ。 アビアノでミロンガと模擬戦を行った後、 ずっと調べていたんですが……」
ツグミ「フィリオ少佐のデータベースの中にあった 関連資料を発見しました」
ギリアム「ふむ……」
ツグミ「AMNシステムは、 戦闘データを迅速かつ正確に他機に伝達し、 複数の機体間で共有するためのものです」
ツグミ「そして、その改良発展型である ODEシステムは、熟練パイロットによる無人機の 同時複数遠隔操作を目指していました」
ギリアム「……レーツェルから聞いた話だが、 そのODEシステムは開発が中止されたそうだな」
ツグミ「はい……。 テスト中にシステム搭載機が暴走し、 パイロットが全員死亡したせいで……」
ギリアム「……模擬戦のミロンガはどうだった?」
ツグミ「一時的に暴走状態へ陥ったような動きを 見せましたが、制限時間を過ぎた時点で停止しました」
ツグミ「どうやら、制御面の問題点は 改善されているようです」
ギリアム「ミロンガ……そして、その後継機である バルトールにODEシステムが搭載されている 可能性は?」
ツグミ「高いと思います。 もっとも完成品であるかどうかは わかりませんが……」
ギリアム「そうか……。 では、AMNシステムやODEシステムに関する データを、可能な限り私の所へ送ってくれ」
ツグミ「わかりました」
ギリアム「では、またな」
ツグミ「ギリアム少佐が動いているということは…… ミロンガとバルトール……私の思っている以上に 裏がありそうね」



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