36話「疾風、そして流星の如く」


  シナリオデモ  ハガネ 個室
ラミア「……私に話とは何でしょう? ギリアム少佐」
ギリアム「君に確認したいことがある。 システムXN……リュケイオスのことだ」
ラミア「……」
ギリアム「ヴィンデル・マウザーが 搭乗していた特機……」
ラミア「ツヴァイザーゲイン、ですか?」
ギリアム「そのツヴァイザーゲインが 搭載しているシステムXNは、アギュイエウス……」
ギリアム「転移フィールドを展開し、 システムごと空間・次元転移を行うタイプのものだ」
ラミア「はい」
ギリアム「では、もう一つのリュケイオス…… あれはどうなったのだ?」
ラミア「……リュケイオスは EOTであるアギュイエウスを 解析して造られたもの……」
ギリアム「……」
ラミア「そのため、装置そのものが大型化し、 自身の転移は不可能……」
ラミア「ただし、 一度に多くの物体を転移させる能力は アギュイエウス以上でした」
ギリアム「そう…… そして、リュケイオスはまだ『向こう側』に 残っている可能性が高い」
ラミア「……」
ラミア「シャドウミラー隊の転移は、 リュケイオスで行われました」
ギリアム「百単位の機体を 短時間で転移させるためか?」
ラミア「はい。 最初に転移を行ったのは、私達Wシリーズでした」
ラミア「次にヴィンデル様がアギュイエウスと共に。 そして、アクセル隊長とレモン様が後詰めに 回られたのです」
ギリアム「……」
ラミア「作戦では、リュケイオスに 自爆装置が仕掛けられ……」
ラミア「最後の者が転移を行った後、 爆発するようになっていました」
ラミア「そして、シャドウミラー以外の転移者が 現れていないということは……」
ギリアム「リュケイオスは確実に消滅したと?」
ラミア「…おそらくは」
ギリアム「そうか……」
ラミア「……」
ラミア「……ギリアム少佐、 一つ質問をさせていただいても よろしいでしょうか?」
ギリアム「何だ?」
ラミア「何故この部隊の者達は、どうして こんなにも簡単に、私を受け入れてくれたのです?」
ギリアム「……」
ラミア「私は彼らにとっては異世界から来た 敵であり、人間ですらない…どうして信じることが できるのでしょうか?」
ギリアム「有り体に言えば、仲間だからさ」
ラミア「……」
ギリアム「そして……君が人間と変わらない心を 持っているからでもある」
ラミア「私が……?」
ギリアム「そうだ。 人の心と心の強い結びつきが この部隊の力の源……」
ギリアム「過去や素性はどうあれ、 この星を守るという志を共にする者であれば、 彼らは受け入れてくれる」
ラミア「……」
ラミア(そうやって… この部隊は強くなっていくというのか…)
ラミア(“正体不明の力”によって強化された 『向こう側』のベーオウルブズとまったく違う…力)



35話へ    38話へ



戻る

inserted by FC2 system