35話「楽園からの追放者」


  シナリオデモ ???
ギリアム「……」
レーツェル「よく来てくれた、友よ」
ゼンガー「……久しぶりだな、 ギリアム・イェーガー」
ギリアム「ゼンガー……。 なるほど、ここがお前達の隠れ家ということか」
レーツェル「そうだ。私とゼンガーは 公の場に出られる立場ではないのでな」
ギリアム「フッ……よく言う」
レーツェル「……ささやかだが、食事を用意した。 我々の再会を祝して乾杯しよう」
ギリアム「再会、か……」
ゼンガー「ここにカイ少佐がいれば、 旧教導隊のメンバーが揃ったのだがな」
ギリアム「L5戦役の後、彼にも声はかけたさ。 しかし、現場にいる方がいいと言われてね」
レーツェル「だからこそ、 我々はこうして動くことが出来る。 そうだろう、ギリアム?」
ギリアム「ああ」
レーツェル「さあ、乾杯だ。 今は亡きカーウァイ・ラウ隊長、 テンペスト・ホーカー……」
レーツェル「そして、 ハガネにいるカイ少佐に……我らの仲間達に」
ゼンガー「乾杯」
ギリアム「乾杯」
レーツェル「……本日の メインディッシュはスズキのポワレだ。 食材は先程ゼンガーが釣ってきた」
ギリアム「ほう、それは楽しみだ。 ところで、ゼンガー……お前は確か」
ゼンガー「心配いらん。これはウーロン茶だ」
レーツェル「それも福建鉄観音、 ジーピン ……入手に少々苦労した」
ギリアム「ふふ、相変わらずの拘りだな」
レーツェル「それで、ギリアム……  君のメインディッシュについて 聞かせてもらおうか?」
ギリアム「……」
ギリアム「……お前たちも知っての通り、 連邦政府と連邦軍上層部は グラスマン派に掌握された」
レーツェル「今の地球圏に必要なのは 神の盾ではなく、鎌……その流れは 抑えきれなかったか」
ギリアム「ああ。紆余曲折があったとは言え、 結果的にビアン博士とマイヤー総帥の目的は 達成されたことになる」
ゼンガー「……」
レーツェル「……」
ギリアム「ミッドクリッド大統領は 自らの意思で辞任……その後はグライエンに 委ねられる」
レーツェル「大統領は何と?」
ギリアム「先程のお前と同じことを言い、 自分の派閥を説得したそうだ」
ギリアム「そのおかげで体制はさしたる混乱もなく、 グライエン派へ移行している」
レーツェル「……無駄な血を流すのを避けたか。 彼らしいな」
ギリアム「異星人の脅威に さらされている今という状況では やむを得ないことかも知れん……」
ギリアム「だが、問題はその後だ。 利権に目がくらんだ者達や、 イスルギを始めとする戦争商人……」
ギリアム「そして、 『影』が地球圏を貪り尽くすだろう」
ゼンガー「影……?」
レーツェル「それがお前の本命か」
ギリアム「そうだ。 彼らが本格的な動きを見せ始めた…… 俺はそれを止めねばならん」
ゼンガー「もしや、その連中は 俺の写し身を送り込んできた……?」
ギリアム「ああ。 この世に在らざる兵器を使う者達…… その名をシャドウミラーと言う」
レーツェル「シャドウミラー……」
ゼンガー「何者なのだ、奴らは?」
ギリアム「……」
ゼンガー「ギリアム?」
レーツェル「言えぬ理由があるのだな」
ギリアム「すまん。今はまだ……」
ゼンガー「……」
ギリアム「……シャドウミラーの 動きは掴みにくい……」
ギリアム「そして、俺も彼らに動きを 掴まれるわけにはいかなかった」
ギリアム「チャンスは今しかない。 彼らが表に現れ、単独で行動している 今しかないのだ」
レーツェル「それで、 我々と行動を共にすることが 出来ないと言うのか?」
ギリアム「ああ。シャドウミラー本隊が ハガネやヒリュウと接触したおかげで、 おおよその位置がつかめた……」
ギリアム「だから、俺は行く。 俺という存在が引き起こした事態を 収拾するために」
レーツェル「……」
ゼンガー「……」
レーツェル(……クロガネの改修には もう少し時間がかかる。 それに、ビアン博士の遺産も……)
ゼンガー「レーツェル、 すぐに参式の出撃準備を頼む」
ギリアム「!」
レーツェル「了解した。私も付き合おう。 それから……マオ社のオルレアン工場から 例の物を引きあげてある。調整も終わっている」
ギリアム「もしや、それは……! しかし、ゼンガー……レーツェル……」
ゼンガー「お前ほどの男が 倒さねばならぬと言う相手だ。 放っておくわけにはいくまい」
レーツェル「我々もまたハガネや ヒリュウ改の影となりて動く者……」
レーツェル「同じ影同士、 相応しい対決かも知れんな」
ギリアム「二人とも……すまない」
ゼンガー「構わん」
レーツェル「そうと決まれば、 残りの皿は取っておくとしよう。 ……敵の位置が確定し次第、出るぞ」
ゼンガー「承知した」


  3PP
アクセル「……どうした、W17? 最初の元気はもうないようだな。 …現実はこういうものだ、これがな」
ラミア(わかってはいたが… やはり、こちらの方が圧倒的に不利…)
ラミア(何かきっかけがあればいいのだが…)
  警報
アクセル「!」
ヴィンデル「何だ?」
リー「こちらへ急速接近中の物体あり」
リー「数は3。反応から見て、特機と パーソナルトルーパーだと思われます」
ヴィンデル「ハガネの手の者か?」
  BGM:英雄戦記 教導隊出現
ラミア「あれは……!」
リー「ヒュッケバインMk-IIIと グルンガスト参式、それに……」
アクセル「黒いゲシュペンストだと? だが、あの形は……!」
ラミア「こちらの量産型とも違う。 アルトやヴァイスのような カスタムタイプか?」
ギリアム「間違いない、あの機体は マスタッシュマンだ」
レーツェル「マスタッシュマン……。 オペレーションSRWの最中に 現れた所属不明機のコードか」
ギリアム「……ああ。 そして、シャドウミラーの機体だ」
  通信音
ギリアム「応答せよ、 シャドウミラー隊指揮官…… ヴィンデル・マウザー大佐」
ヴィンデル「何者だ?」
ギリアム「ヘリオス……と 言えばわかるだろう」
ヴィンデル「!!」
レモン「まさか……嘘でしょう!?」
アクセル「顔はともかく、この声… 間違いないようだな、こいつは」
ギリアム「……」
ラミア(きっかけは…できたか。 だが、それが本命中の本命とは…)
ヴィンデル「ふ、ふふふ…… 久しぶりだな、ヘリオス…… ヘリオス・オリンパス」
ヴィンデル「それがお前の素顔か?」
ギリアム「……」
ゼンガー(ヘリオス・オリンパスだと?)
レーツェル(ギリアムのことか?)
ギリアム「ヴィンデル大佐…… 再びお前と会うことになるとはな」
ヴィンデル「ああ、お前が残した システムXNのおかげだ」
ヴィンデル「やはり、アギュイエウスの扉は ファーストジャンパーである お前に通じていたようだな?」
ギリアム「……」
レモン「随分と捜したのよ、あなたを」
ギリアム「お互いにな」
ヴィンデル「いつ気づいた?」
ギリアム「マスタッシュマンが、 『こちら側』に現れたことを知った時…」
ギリアム「いや、 お前達が初めてテスラ研に来た時だ」
レモン「あらあら、 最初からバレてた…ってこと?」
ギリアム「テスラ研でシステムXNの 作動に目処がついた頃……」
ギリアム「真っ先にプロジェクトチームへ 接触してきたのはDCではなく お前達シャドウミラーだったからな」
ヴィンデル「故に疑念を持ったか」
ギリアム「だが、 今やそれは確信に変わった」
ギリアム「システムXNは お前達に制御できるものではない」
ギリアム「その機能は 限定されているとは言え、下手に 使用すれば世界の因果律が狂う」
ギリアム「アギュイエウス…… そしてリュケイオスの扉は 二度と開かれてはならないのだ」
レモン「ふふ、確かに…そうかも しれないわね」
レモン「あなたですら『こちら側』に 飛ばされてしまったくらいの 不安定さだものね」
ギリアム「……」
レモン「おかげで 私達も多くの仲間を失ったわ……」
アクセル「……」
ギリアム「システムXNは この世界に存在してはならない。 そして……お前達もな」
ラミア「……」
ヴィンデル「ふん、お前に言えることか」
ギリアム「だからこそ、 俺はこの世界で待っていた……」
ギリアム「システムXNを 悪用する者を……追放者達を。 その存在を抹消するために」
ヴィンデル「……ヘリオスよ、 我らに降るのなら今の内だぞ」
ギリアム「断る」
ヴィンデル「ならば、 力ずくでも従わせるまでだ」
レーツェル「来るか……!」
アクセル「…どうやらツキがあったようだな。 一度に決着をつけるチャンスが 巡ってくるとは」
  BGM:ASH TO ASH
ラミア「むしろ幸運なのは私の方かも しれません。この状況を一転させる きっかけ…彼らが作ってくれる」
アクセル「よく言う…饒舌になったものだな、 W17」
レーツェル「彼女は……」
ゼンガー「キョウスケの部下だ。 しかし……」
ギリアム「Wシリーズ…… 君は我々の味方なのか?」
ラミア「好きに判断すればいい。私が戦うべき 相手はシャドウミラー…。それ以外は、 かかってこない限り手は出さん」
ギリアム「……いいだろう。 ゼンガー、レーツェル、異存は?」
ゼンガー「ない」
レーツェル「行動で その証を立てるのであれば」
ラミア「…感謝する」
アクセル「甘いな…貴様も、教導隊の者達も。 それでは、真の意味で世界は救えん。人の 意思が世界のバランスを崩す、これがな」
ラミア「…しかし、人の意思が世界を 作り出すのもまた事実…私は今まで、 それをわかろうともしなかった」
ラミア「私は指令さえこなしていれば 良かった。ですが…自分の意思で世界に干渉 することを、その意味を知ってしまった」
アクセル「…ならば、貴様はこの世界を どうしたい?」
アクセル「戦いを終わらせ…平和を もたらすつもりだとでも…? “夢”まで 見れるようになったか? …W17」
ラミア「……」
ヴィンデル「……平和は何も生み出さん。 ただ世界を腐敗させていくのみ」
ヴィンデル「そして、闘争を忘れた者達は 兵士を……軍を切り捨てる。 我らの存在を否定するのだ」
ラミア「…それは戦う者だけの都合です… ヴィンデル様」
ヴィンデル「何だと?」
ラミア「戦いを望まない者、平和という世界に 可能性を見出す者達にとっては、むしろ その方がイレギュラー…なのだと思います」
ヴィンデル「人形風情がつらつらと…!」
レモン「W17…こういう話を知っている かしら? 知恵のリンゴを食べたアダムと イブは…楽園から追放されたのよ?」
ラミア「承知です。 ならば……私は自分の足で 次の楽園を探しましょう……」


ヴィンデル「フッ、しぶとい連中だ」
レモン「こっちでも教導隊の名は 伊達じゃないってことね」
レモン「さて、どうするの? 連邦軍の追撃部隊もこっちへ向かって きてるみたいだけど…」
ヴィンデル(システムXNは まだ完全ではない……)
ヴィンデル(そして、 戦力の立て直しも図らねばならん。 ここでの無理は禁物か)
ヴィンデル「リー、補給作業は?」
リー「完了しています」
ヴィンデル「では、 エルアインス隊を出撃させろ」
リー「はっ」
  敵増援出現
レーツェル「! こちらの足を止める気か!?」
ギリアム「ヴィンデル・マウザー! 逃がしはせん!」
ヴィンデル「ヘリオス…… 例えファーストジャンパーのお前で あっても、我らを止めることは出来ん」
ギリアム「……!」
ヴィンデル「……レモン、 システムXNを使うぞ。通常転移だ」
レモン「ちょっとお待ちなさいな。 修理はまだ完全じゃないのよ? 今の状態じゃ、距離が稼げないけど…」
ヴィンデル「構わん。 この場から離脱できればいい」
レモン「でも、ようやく姿を見せたヘリオス… このまま放っておいていいの?」
ヴィンデル「万が一にも、 ここでシステムXNをこれ以上 損傷させるわけにはいかん」
レモン「…W17の例もある、か。 そうね、コアを手に入れても、システムに 問題があったら意味がないものね」
ヴィンデル「最悪の場合、 奴なしてもあの機能は発動できる。 ……我々がこちらへ来たようにな」
レモン「その分、 確実性には欠けるけどね」
ヴィンデル「……」
ヴィンデル「……アクセル」
アクセル「状況はわかった、こいつがな。 …後詰めはおれがやる。行け」
レモン「任せるわ。このまま粘れば… ベーオウルフも来るかもしれないしね、 アクセル」
アクセル「…そこまでこだわってはいないさ。 …合流地点はあとで連絡してくれ」
レモン「了解。…気をつけてね」
ギリアム「待て!!」
レモン「じゃあね、ヘリオス・オリンパス。 …ミスター・ファーストジャンパー」
ヴィンデル「また会おう。 例の機能を回復させた後でな」
  シロガネ転移
レーツェル「反応が消えた……! 追跡は……不可能か」
ギリアム「くっ、ここまで来て…! お前達がしていること…それがどのような 結果を招くのか…わかっているのか!」
アクセル「何…? どういうことだ、ヘリオス」
ギリアム「……お前達は知るまい」
アクセル「?」
ギリアム「この世界は 我々という異物を受け入れながら、 奇跡的なバランスで保たれている」
アクセル「何……?」
ギリアム「本来なら、 崩壊していてもおかしくはない。 あり得ないのだ、このような世界は」
アクセル「ならば、 何故おれ達は…… この世界は存在し続けているというんだ?」
ギリアム「何かの力が…… 何者かの意思が作用しているのだ」
アクセル「何者かの……だと?」
ギリアム「さながらこの世界は、 その者が作り出した実験室の フラスコ……」
ギリアム「その実験の結果が出た時、 我々の存在は………」
アクセル「だから、干渉をやめろと? …ここまで来て、はいわかりましたと 言えると思うのか?」
アクセル「貴様がその事を本気で危惧して いるなら、貴様こそが…最初に自分自身を どうにかすべきではないのか?」
アクセル「『ファーストジャンパー』… さまよい人、ヘリオス・オリンパス…!」
ギリアム「…そうかも…知れん」
アクセル「貴様にもわかっているはずだ、 こいつが」
アクセル「この世界を創り出した者が何で あろうと、おれ達を導いた者が誰で あろうと…」
アクセル「おれはおれの意思…自分が 信じる世界のために戦争をしている…!」
アクセル「その結果、世界が滅びるならば… それもまた、この世界が選んだ結末なのさ」
ラミア「……」
ゼンガー「ならば、ここは退けん。 我らもまた己の信念のために……」
ゼンガー「この世界を 存続させるために戦っている……!」
アクセル「いいだろう。 勝ち負けでしか、善悪を決めることは できん…それが戦争だ、こいつがな」
アクセル「だからこそ、おれは勝つ…!」
アクセル「リミット解除! ソウルゲインよ、貴様の力…今一度奴らに、 そしておれに見せてみろッ!」
  アクセル熱血使用、ゼンガーに接近
ゼンガー「相手にとって不足なし! いざ尋常に勝負ッ!!」
  ゼンガー熱血&気迫使用&SP全回復


レーツェル「! 来たか……!」
  味方増援出現
エクセレン「わお! ここにいたのは やっぱりボス達だったのね!」
ゼンガー「エクセレン…… それに、キョウスケ達か」
キョウスケ「ゼンガー少佐、 シロガネの姿が見えないようですが?」
ゼンガー「……すでに転移した」
ラミア「追跡は不可能だ。 なんとか足止めくらいはしたかったがな」
キョウスケ「……!」
ブリット「ラ、ラミアさん!!」
マサキ「お前、無事だったのか!?」
ラミア「……見ての通りだ」
リューネ「あ、あの爆発で……?」
エクセレン「ちょっとラミアちゃん! 今までどこで何やってたの? まさか、生きて会えるなんて…」
カチーナ「何を言ってやがる! 元いた所に戻ってただけだろうが!」
ラミア「…そう思われても仕方がない。 私は…」
レーツェル「経緯はどうあれ、 今の彼女は我々の味方だ。 私が保証する」
ツグミ「レーツェルさん……!」
ライ「エルザム……兄さん」
レーツェル「勘違いしてもらっては困る。 私はレーツェル・ファインシュメッカー…… お前の兄ではない」
ライ「……!」
リュウセイ「いや、 そんなこと言われたって ありゃどう見ても……」
タスク「あ、あの旦那だよなぁ」
レーツェル「……」
ライ「兄さん…… あなたの言葉を信用しろと?」
レーツェル「その気になれば、彼女は いつでも我らを討つことができた」
レーツェル「それに…… この状況下で我々を陥れようと いうのも不自然ではないか?」
ライ「……」
カチーナ「今まで あたしらを欺いてきた奴だぜ? そう簡単に……」
ゼンガー「彼女の戦に迷いはない。 結果がそれを証明している」
ギリアム「……私も同感だ」
カチーナ「……」
ラッセル「ちゅ、中尉……」
カチーナ「ヘッ、あのメンツにそこまで 言われちゃあ信じるしかねえか」
レオナ「カチーナ中尉……」
カチーナ「今に 始まったこっちゃねえってことだろ? ……わかってるさ」
エクセレン「んじゃま、これにて一件落着…… その他諸々、とりあえず水に流すって ことで」
エクセレン「…詳しくは後でね、 ラミアちゃん」
ラミア「エクセ姉様… お心遣い、感謝します…」
キョウスケ「後は……奴か」
アクセル「来たか、ベーオウルフ。 キョウスケ・ナンブ」
キョウスケ「アクセル・アルマー… この間の借りを返させてもらう。 それに…」
キョウスケ「『向こう側』やら『力』やら… わけのわからんゴタクの意味も 教えてもらうぞ」
アクセル「それを知ってどうする? …何の意味もない、これがな」
キョウスケ「おしゃべりは趣味じゃない。 …撃ち落してから、ゆっくり聞かせて もらう…!」
アクセル「『向こう側』の貴様と違って、 気が合うな」
アクセル「おれも聞きたいことがある… 叩き落してからしゃべってもらおうか、 ベーオウルフ!」


  エンドデモ  ハガネ ブリーフィングルーム
ダイテツ「……ゼンガー少佐達が 言ったことは正しかったようだな、 ラミア・ラヴレス」
ラミア「……私を信じて下さったこと、 感謝しています」
ダイテツ「では、 ここにいる皆に真実を話してもらおう」
ラミア「わかりました。 私が知っている限りのこと…お話しましょう」
ギリアム「……」
ラミア「さて…何から?」
ダイテツ「シャドウミラーとは 何者か……からでいこう」
ラミア「彼らは…… 地球連邦軍特殊任務実行部隊」
カイ「……特務隊のことか? だが、名称が違うぞ」
ショーン「ふむ……。 シャドウミラーなどという特務隊は 聞いたことがありませんな」
ラミア「それは『こちら側』の話…。 ですが、『向こう側』の連邦軍には存在していた」
タスク「こ、『こちら側』だとか『向こう側』だとか… 何のことなんスか?」
ラミア「一言で言えば、こことは違う世界のことだ」
レフィーナ「違う……世界?」
ラミア「そう、極めて近く…限りなく遠い世界。 …順を追って説明しよう」
ラミア「……新西暦160年代から盛んになった、 スペースコロニーの独立自治権獲得運動、 NID4……」
ラミア「それは地球政府とコロニーの間に 大きな確執を生みました」
ラミア「コロニーの台頭を 恐れた地球政府は、NID4を弾圧…」
ラミア「連邦とコロニーの対立は激化し、 ついには機動兵器を使用したテロ事件が 数多く発生…世界は混沌に包まれた」
ラミア「そして、ある事件によりコロニーの 命運は大きく変わることになる…」
レーツェル「もしや、 それはエルピスで起きた……?」
ラミア「はい。 地球至上主義のテロリストが スペースコロニー・エルピスへ潜入……」
ラミア「内部で毒ガスを使用し、 住人の大半を死に至らしめた事件です」
レオナ「どういうこと……!? あの事件はそのような結末では……」
ラミア「犠牲者の中には、連邦宇宙軍総司令 …マイヤー・V・ブランシュタイン……」
ラミア「その長男エルザムと、 彼の妻であるカトライアも含まれていた」
レーツェル「な……!」
ゼンガー「何だと!?」
レオナ「そんな……」
ライ「義姉上だけでなく、 父と兄までもが……?」
エクセレン「ちょ、ちょい待ち! ラミアちゃん! じゃあ、ここにいるエルザム兄さんは!?」
アラド「ま、まさか、幽霊!?」
レーツェル「悪いが……私の足はご覧の通り」
レーツェル「……付け加えれば、 私はエルザムではなく、レーツェルだ」
ヴィレッタ「もしや、 ラミアが言う『向こう側』とは…?」
ギリアム「そう……。 並行世界、パラレルワールドだ」
カチーナ「パラレルワールド!?」
ギリアム「……世界は 常に分岐の可能性を持っている……」
ギリアム「我々が存在する この世界とは別の……並行した世界」
ギリアム「それが、彼女が始めに言った言葉、 “極めて近く、そして限りなく遠い世界”… パラレルワールドだ」
ラミア「その通りです。ヘリオ…いえ、ギリアム少佐。 私達シャドウミラーは、その中の一つから 『こちら側』の世界へやって来たのです」
ヴィレッタ「……」
ラミア「無限の可能性の中の一つ… だからこそ、私がいた世界…『向こう側』と、 この世界では、多くの事柄が異なっています」
ライ「では、エルピス事件の後は?」
ラミア「コロニーの治安維持と NID4の弾圧が強化され……結局、 コロニーが独立することはなかった」
ラミア「そして、DC戦争が勃発……。 我々連邦軍は苦戦の末、ビアン博士を 打ち倒し……勝利を収めた」
ラミア「その後、 ビアン博士が示唆した異星人の脅威を 重く見た連邦軍は……」
ラミア「地球圏防衛のため、 大幅な軍備増強を敢行……」
ラミア「その結果、 多種多様な機動兵器が開発された」
リョウト「多種多様?」
ラミア「そう。Z&R社の ヴァルキュリアシリーズ、 FI社のアサルト・ドラグーン……」
ラミア「イスルギ重工のリオンシリーズ、 マオ社のパーソナルトルーパーなどだ」
イルム「最初の2社は聞いたことがない メーカーだな……」
ラミア「そして、その中でも、 数多く生産され、 連邦軍の主力兵器となったのが……」
ラミア「マオ社のゲシュペンストMk-IIと イスルギ社のリオンだ」
テツヤ「ゲシュペンストMk-IIが 数多く生産……? どれくらい作られたんだ?」
ラミア「…ざっと3000機」
テツヤ「3000……!? こちらと桁が違いすぎるぞ!」
イルム「なるほど……。 シャドウミラーのゲシュペンストMk-IIの 謎が解けたぜ」
イルム「あれはお前達が向こう側から 持ってきた機体だったんだな?」
ラミア「そうです」
イルム「そして、こっちの ゲシュペンストMk-IIと仕様が違うのは、 向こうで改良が重ねられたから、か」
ラミア「はい。 そして、それはエルアインスにも 同じことが言えます」
リョウト「エルアインス……?」
ラミア「『向こう側』での アルブレードの正式名称…」
ラミア「その名の通り、R-1の量産型…… ゲシュペンストMk-IIに次ぐ主力機として マオ社が開発した物だ」
リョウト「ゲシュペンストの次……?」
ラトゥーニ「なら、量産型の ヒュッケバインMk-IIは……?」
ラミア「向こうでの ヒュッケバインシリーズは……」
ラミア「1号機……008Rの暴走事故によって、 開発計画の見直しが軍から要求され……」
ラミア「その後も 何機か試作機が作られたようだが、 量産には至っていない」
アヤ「……向こうでのSRXは どうなっているの? R-1が量産されているということは……」
ラミア「何度か 開発が中断されたようだが……」
ラミア「侵略行動を開始した 異星人との戦闘へ投入するため、 最終的にはロールアウトしている」
ライ「異星人…そうか、エアロゲイターか」
ラミア「…違う。インスペクターだ」
マサキ「何!? あいつらが先に来たってのか!?」
ラミア「そうだ」
ブリット「そ、それで ラミアさんはエアロゲイターのことを 知らなかったのか……」
ヴィレッタ「……メテオ3は 向こうの世界でも落下したのか?」
ラミア「いえ……」
ヴィレッタ「では、SRXの動力源は トロニウムではないと?」
ラミア「データを見た限りでは…… おそらく『こちら側』と同じかと思われます」
リュウセイ「何だって!? メテオ3が落ちてきてねえのに、 何でトロニウムがあるんだ!?」
ラミア「…トロニウムについてのデータはない。 だが、存在自体は確認されていたようだ」
ヴィレッタ(何者かがトロニウムを 地球にもたらしたと言うのか……?)
キョウスケ「ことのあらましはわかった。 …ある意味、ここからが本題だ。 おれ達の世界に直接関わりのあることだからな」
ラミア「……」
キョウスケ「シャドウミラーが『こちら側』の世界へ 来た理由は? そして、その方法は?」
ラミア「理由…ロールアウトが遅かった私は よく知りませんが…データはあります」
キョウスケ(ロールアウト…?)
ラミア「それは緩やかな腐敗…。 平和という名の安息の下で 地球連邦は…」
ラミア「いえ、“世界そのもの”が少しずつ おかしくなっていった…とあります」
ラミア「シャドウミラー隊指揮官… ヴィンデル・マウザー大佐はその世界を憂い、 クーデターを起こしたのです」
アイビス「絶えず争っている世界を 作るために?」
ラミア「そう、戦争は終結してはならない。 その後に待つのは平和という名の腐敗…」
ラミア「だが、闘争が日常である世界なら、 それは永遠に起こることはない。 そのようなバランスのもとに、世界は調律される、と」
ツグミ「そんなの…… 理論上のものに過ぎないわ」
ラミア「……理論上と言うよりは 確率の問題だ」
ラミア「闘争を日常とする…混沌たる世界であれば、 腐敗が起こる可能性は低いということだ」
キョウスケ「待て。 それが正しいか否か…議論するつもりはないが、 『こちら側』でそれをやろうという理由がわからん」
エクセレン「そうね…ちょっと無責任な言い方かも 知れないけど…自分の庭でやってよって感じ?」
カチーナ「まったくだぜ。 …それか、そうできない理由でもあったのかよ?」
ラミア「…その予想が正解に近いです。 我々シャドウミラーが『こちら側』に来た理由… それはある部隊に敗れたため…」
ラミア「…いえ、もっと正確に言えば、 混沌たる世界のバランスを崩すほどの力を持った 部隊が現れ…世界を破壊し始めていたためです」
エクセレン「その部隊って…もしかして、 そっちのボスのヴィンちゃんが言ってた…?」
ラミア「はい。ゲシュペンストMk-IIIを 隊長機とした連邦軍特殊鎮圧部隊、 ベーオウルブズ……」
キョウスケ「…ベーオウルフ…。 アクセル達が散々おれに対して言っていた…」
ラミア「そうです。ベーオウルブズ…隊長はキョウスケ・ナンブ大尉」
キョウスケ「…そういう…ことか」
タスク「な〜る、 それでアクセルはアルトアイゼンを ゲシュペンストMk-III……」
タスク「キョウスケ中尉を ベーオウルフって呼んでたわけか」
カチーナ「…あの野郎が しつこくキョウスケを狙ってきやがった理由がわかったぜ」
カチーナ「大方、向こうのキョウスケ大尉殿に こっぴどくやられたんだろ? で、逆恨みでこっちにインネン付けて来た、と」
ラミア「それは違います。 アクセル隊長は…恐れていたのです」
ラミア「『こちら側』のキョウスケ・ナンブが… 『向こう側』のベーオウルフが持っていた… 謎の“力”を得ることを」
キョウスケ「謎の力…だと? 『向こう側』とやらのおれは、念動力のような ものを持っていたというのか?」
ラミア「…詳細な記録は残っていませんが、 もっと異質の…人知を超えたものだったようです」
エクセレン「わお! 人知を超えてるって… あらゆる博打で必ず勝てるとか?」
キョウスケ「…それはいい、な」
ラミア「いえ、その力は…常人をはるかに超えた 肉体の能力…筋力、反射神経、回復能力を持ち… 乗り込んだPTの姿をも変質させた…とあります」
キョウスケ「乗っている…機体の姿も…だと?」
ラミア「はい… そしてベーオウルブズは今のハガネやヒリュウ改と ほぼ同じ戦力を持っていました…」
ラミア「結果、シャドウミラーは彼らに 追い詰められてしまったのです」
ラミア「そして、シャドウミラーが最後に 選択した手段が…」
ヴィレッタ「…『こちら側』への転移というわけか」
ラミア「はい」
キョウスケ「ここが次の問題点か。 ラミア…その転移の方法は?」
ギリアム「……それについては 俺が説明しよう」
キョウスケ「!?」
カイ「ギリアム……何故、お前が?」
ギリアム「それは……」
ギリアム「俺もシャドウミラーと同じく、 『向こう側』から来た人間だからです」
カイ「!!」
カチーナ「な、何だとォ!?」
ラーダ「じゃあ、少佐は この世界の人間ではないと……!?」
ギリアム「……ああ」
レーツェル(やはり、あの時の話は…… そういうことだったのか)
ヴィレッタ「……」
ギリアム「向こうでの俺は…… テスラ研でシステムXNという装置の 研究に従事していた」
ツグミ「システムXN……?」
ギリアム「空間・次元転移装置のことだ。 2基存在し、それぞれ『アギュイエウス』、 『リュケイオス』と言う」
ギリアム「だが、 俺はアギュイエウスの起動実験に失敗し……」
ギリアム「単身、 この世界へ飛ばされてしまった」
ツグミ「……」
レーツェル「では、 ヘリオス・オリンパスという名は……」
ギリアム「向こうの世界での俺の名だ」
ギリアム「そして、 元の世界へ戻れなくなった俺は ギリアム・イェーガーと名乗り……」
ギリアム「この世界で生きる決意をした。 その後はカイ少佐やゼンガー、 レーツェルも知っての通りだ」
ゼンガー「……」
ギリアム「お前達……いや、 ここにいる者達には今まで真実を話さず、 すまなかったと思っている……」
ギリアム「だが、後続者が現れる可能性がある以上…… 俺は素性を明かすわけにはいかなかった」
ゼンガー「後続者…… それはシステムXNを使って 転移してくる者のことか?」
ギリアム「そうだ。 アギュイエウスとリュケイオスが 『向こう側』に残っている以上……」
ギリアム「俺と同じように この世界への転移を試みる者は必ずいる……」
ギリアム「だが、もしそれがテスラ研の人間ではなく、 システムXNの悪用を目論む者だったら……」
ギリアム「その者は俺を捜し出し、 己の目的のために利用しようとするだろう」
ヴィレッタ「利用?」
ギリアム「そうだ。アギュイエウスは 作動の確実性を向上させるため、 俺とリンクするように作られていた」
ギリアム「つまり、 俺はシステムXN・アギュイエウスの コアとも言える存在なのだ」
ゼンガー「それで、お前は……」
ギリアム「ああ。『こちら側』で素性を隠し、 次なる転移者を待ち続けた。 そして、その結果現れたのが……」
カイ「シャドウミラーだったというわけか」
ギリアム「ええ。 ただ……俺と彼らの転移タイミングには 大きな差があったようです」
ラミア「そう、 シャドウミラー隊がテスラ研を占拠し、転移したのは… 一番初めに転移を成功させた人物…」
ラミア「『ファーストジャンパー』ヘリオス… つまり、ギリアム少佐が転移してから、 約2年後のことでした」
ダイテツ「……転移を行った シャドウミラー隊の規模は?」
ラミア「連邦軍より奪取した ASK系、RGC系の試作機や 新主力機のエルアインス…」
ラミア「さらにテスラ研で入手した SRG系、EG系などの機体…」
ラミア「そして、シャドウミラーが元々所有していた ゲシュペンストやリオン、フェルギアやソルプレッサ などを合わせて…」
ラミア「……496機」
レフィーナ「そ、そんなに!?」
ラミア「はい。ヴィンデル大佐に 賛同する他部隊の兵士やDC残党も 加わっておりましたので」
ラミア「しかし……実際にたどり着いたのは おそらくその半分以下かと」
クスハ「え……!? 何故なんですか?」
ラミア「同一世界内での空間転移とは異なり、 時空転移は不確定要素が多く…なにより不安定だ」
ラミア「例えるなら、濁流の中で蜘蛛の糸を 辿るようなもの…」
ラミア「部隊の者の大半は… 残念ながら時空のねじれに巻き込まれて…消滅した」
ラミア「私の言語系に誤動作が起きたのも… この時の影響だ」
クスハ「げ、言語系って…!?」
ツグミ「も、もしかして、あなたは……!?」
ラミア「私の正式名称はW17……」
ラミア「指令を忠実に実行し、 戦争を継続させるためだけに生まれた…人形だ」
クスハ「……!!」
ツグミ「つまり、人造人間……」
ラミア「そう。シャドウミラー隊では Wシリーズと呼ばれている」
ラミア「その中でも 優秀な性能を持ち、特殊任務を 遂行する者がナンバーズ……」
ラミア「つまり、 私は17番目にロールアウトした最新型…W17。 今後はそう呼んでもらって構わん」
ラトゥーニ「……」
アラド「な、名前がナンバー……! それでいいんスか、ラミアさん!? いいわけないでしょう!!」
ラミア「アラド・バランガ… そうか…お前も…そうだったな」
ゼンガー「……もしや、ウォーダン・ユミルも お前と同じく……?」
ラミア「そうです。彼は15番目…W15」
ラミア「お気付きの通り、 『向こう側』のゼンガー・ゾンボルト少佐の データを基にして作られたナンバーズです」
ゼンガー「……奴が乗る特機は?」
ラミア「『向こう側』で入手したグルンガスト参式を 『こちら側』の技術で改造したものだと思われます」
レーツェル「しかし、 彼らは何故ゼンガーの写し身を……?」
ラミア「……ベーオウルブズの対抗手段とするためです。 キョウスケ・ナンブには及ばなかったようですが」
キョウスケ(…『向こう側』のおれに一体何が…? そんな力に興味はないが…気にはなる、な)
ゼンガー「…『向こう側』の俺は?」
ラミア「データによれば、アースクレイドル内乱後、 行方不明…となっています」
ゼンガー「……そうか」
キョウスケ「…シャドウミラーはアクセルやウォーダン、 そしてラミア、お前達とともに…『向こう側』で 果たせなかった目的を果たすつもりか」
ラミア「…はい。 『向こう側』は、ベーオウルブズの存在によって、 完全にバランスを失っていましたので…」
ブリット「……永遠の闘争……。 戦い続けることでバランスを取る 世界なんて……!」
ツグミ「戦いの度に 技術は進歩していった…… 確かに、それは間違っていないけど……」
エクセレン「戦いを望む者… 戦争を続けたい人達には理想の世界かも 知れないけど…」
エクセレン「そうでない人達にとっては地獄…ね」
キョウスケ「…おれ達の世界で好き勝手なことを させるわけにはいかん」
ギリアム「だから、 何としてでも彼らを阻止し、彼らが持つ システムXNを破壊せねばならん」
ラミア「……その通りです」
ダイテツ「……」
ラミア「ダイテツ艦長、 私の話は……以上で終わりです」
ダイテツ「……」
ショーン「……ダイテツ中佐、 これからの彼女の処置は?」
ダイテツ「現状維持だ」
ラミア「しかし、私は……」
ダイテツ「素性と過去はどうあれ、 今のお前の意志は我らと同じなのだろう?」
ラミア「……はい」
ダイテツ「ならば、それでいい。 ……他に異論のある者は?」
ライ「……」
キョウスケ「……」
ギリアム「……」
カチーナ「……もう慣れたぜ」
ラミア「カチーナ中尉……」
エクセレン「…と、いうわけで… お帰りなさい、ラミアちゃん」
ラミア「エクセ姉様……」
エクセレン「というか… あなた、言葉遣い…治っちゃったの?」
タスク「そういや…そうッスね。 なんとかでございますのですこと〜… みたいなのはなくなってるッスよ」
ラミア「一度部隊に戻った時に… 不完全ながら修理をしていただきました」
ラミア「だから… お聞き苦しい言葉は、あまり発することは なくなるとおもいましたりしちゃいますのです」
ラミア「…不完全なので時々は出ますが」
エクセレン「わお! やっぱりそうこなくちゃね!」
ラミア「…ですが、エクセ姉様…。 本当に私は…ここにいていいのですか…? 私は元々敵であり、この世界には…」
エクセレン「私達はいいって言ってるのよん。 あとは、あなた次第。 …自分でいるか、いなくなるか…決めなきゃね」
ラミア(自分で…。 …まるで…レモン様に言われているようだ…な)
ヴィレッタ「ラミア… これからの戦いで、あなたの存在は なくてはならないものとなる」
ブリット「そうです、ラミアさん。 だから、俺たちに力を貸して下さい! …戦いは…これからなんです!」
タスク「それに、 ボイン要員が多いに越したことはねえしさ!」
レオナ「…ボイン…要員?」
タスク「あ、じょ、冗談でございますので ありますのことッスよ? レ、レオナ様」
ラミア「…ここで、この戦争の最後を見届ける。 それが私の決めた…私の戦いだ」
ラミア(悪くない……そう、悪くない気分だ。 はるか遠い時代…楽園から追放された者達も… 同じ気持ちだったのかも…しれんな)




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