13話「楽園からの追放者」


  本編Aパート、クロガネ艦内
ギリアム(通信)「連邦政府と連邦軍の上層部はグラスマン派に掌握された。彼らと結託する戦争商人、そして『影』が地球圏を貪りつくすだろう」
レーツェル「『影』……それがお前の本命か」
   RVの工場にカメラが移る。機体調整中、以後視点移動多し。
ギリアム「そうだ。シャドウミラー……俺は奴らを止めねばならん」
レーツェル(通信)「お前とどのような関係が?」
ギリアム「……今はまだ言えない。だが、俺は俺という存在が引き起こした事態を、収拾しなければならない」
レーツェル「…………」
ギリアム「RVもロールアウトした……俺は行く」
レーツェル(通信)「ならば我らも付きあおう」
レーツェル「現在、本艦は彼らの母艦を追尾しているのでな」
ギリアム「レーツェル……」
レーツェル「我々もハガネやヒリュウ改の影となって動く者……同じ影同士、相応しい対決かもしれん」


   Bパート、警報
Wシリーズ「アンノウン接近、3時方向より。数は2」
ヴィンデル「フン」
   BGM:英雄戦記、RVとガーバインが近付く
ヴィンデル「Wシリーズ、アンノウンを迎撃せよ!」
   RVが月を背景にメガ・バスターキャノンを撃つ、ガーバインが援護射撃
ヴィンデル「何!?」
レモン「あれはっ!?」
ギリアム「応答せよ。シャドウミラー隊指揮官、ヴィンデル・マウザー」
ヴィンデル「その声は……!」
レモン「まさか、嘘でしょ?」
   モニターにギリアムの顔が映し出される。
ギリアム「久しぶりだな、大佐」
ヴィンデル「………………フ……フフフ、全くだ。ヘリオス・オリンパス。それがお前の素顔か?」
レーツェル「ヘリオス……ギリアムのことか?」
ヴィンデル「お前が残したシステムXNのおかげで我らはこの世界に辿りつけた。アギュイエウスの扉は、ファーストジャンパーであるお前に通じていたようだな」
ギリアム「システムXNはこの世界に存在してはならない。そして、お前たちもな」
ヴィンデル「ヘリオスよ……我らに降るなら今のうちだぞ」
ギリアム「断る」
ヴィンデル「ならば力尽くでも従わせるのみだ」
Wシリーズ「全機、ヘリオスを捕獲せよ!」
   斬られるエルアインス、BGM:悪を断つ剣
ゼンガー「チェストオオオォォォォ!!」
  海中から現れた参式の一閃でエルアインス群撃破
ゼンガー「我が斬艦刀に、断てぬ物なし!」
ヴィンデル「ええい、出せるWシリーズは全て出せ!」
  RVとガーバインに追いつくヴァイサーガ
ラミア「助勢する、ギリアム少佐」
ギリアム「君は……」
レーツェル「何者だ?」
  BGM:ASH TO ASH
ラミア「ラミア・ラヴレス、シャドウミラーの兵士だ」
レーツェル「その君が何故、我々に味方する?」
ラミア「私が戦うべき相手はシャドウミラー……それだけだ」
ギリアム「……いいだろう。ゼンガー、レーツェル、異存は?」
ゼンガー「ない」
レーツェル「行動でその証を立てるのであれば」
アクセル「甘いな!」
   ヴァイサーガにぶつかるアシュセイヴァー
アクセル「その甘さでは世界は救えん。人の意思がバランスを崩す、これがな!」
ラミア「しかし、人の意思が世界を創り出すのもまた事実! 私は、自分の意志で世界に干渉することを、その意味を知ってしまった!」
アクセル「ならば貴様はこの世界をどうする? 戦いを終わらせ、平和をもたらすつもりだとでも言うか!」
ヴィンデル「平和は何も生み出さん。ただ世界を腐敗させていくのみ。そして闘争を忘れた者は兵士を、軍を切り捨てる。我らの存在を否定するのだ」
ラミア「それは戦う者だけの都合です」
ヴィンデル「!? 何だと……?」
ラミア「戦いを望まない者は、平和という世界に可能性を見出す者たちにとっては、むしろその方がイレギュラーなのでしょう」
ヴィンデル「フッ、人形風情が」
レモン「W17、知恵のリンゴを食べたアダムとイブは楽園から追放されたのよ」
ラミア「ならば……! 私は、自分の足で次の楽園を探しましょう……」
   (ハガネに場面転換、中略)
ギリアム 「お前たちの行動がどのような結果を招くのか、わかっているのか」
アクセル「何!?」
ギリアム「この世界は我々という異物を受け入れ、奇跡とも言うべきバランスで成り立っている。本来なら崩壊していてもおかしくはないのだ」
アクセル「ならば何故、おれたちは存在し続けている!?」
ギリアム「この世界は何者かが創りだした実験室のフラスコ……その実験の結果が出た時、我々は……!」
アクセル「実験など知ったことか! おれは自分が信じる世界のために戦っている!」
   ソードブレイカー、参式のオメガブラスターで撃墜
アクセル「!?」
ゼンガー「我らもまた己の信念のため、この世界を存続させるために戦っている!」
アクセル「いいだろう。勝ち負けでしか善悪を決めることはできん。それが戦争だ!」
  (スレードゲルミル登場、味方増援登場、シャドウミラー撤退準備、中略)
ギリアム「いかん……!」
  広がる転移フィールド
ギリアム「このままでは……!」
レモン「ひとまずお別れよ、ヘリオス」
ギリアム「っ! 逃がさんっ!」
   メガバスターキャノン発射、転移により空を切る
ギリアム「……俺の贖罪は、まだ終わらないのか……」


  ブリーフィングルーム、前略
マサキ「こちら側とか向こう側とか、一体何のことなんだ?」
ラミア「向こう側とは、極めて近く、そして限りなく遠い世界」
マサキ「近くて遠い……?」
ギリアム「それは、 我々の世界とは似て非なる世界。すなわち、パラレルワールドだ」
   (中略)
カチーナ「お前らは、何を使って転移してきたんだ?」
ギリアム「それについては、私が説明しよう」
マサキ「ギリアム……何でアンタが?」
ギリアム「それは…………私も向こう側から来た人間だからだ」
  to be continued




   おまけ(次回予告)
レーツェル「ギリアム、やはり只者ではなかったな」
ゼンガー「うむ」
カイ「いや、お前たちも人のことは言えんぞ。そもそも教導隊とは……」
レーツェル「次回『汚れのないその瞳で』」
ゼンガー「刮目せよ」
カイ「人の話を聞かんかぁ!」



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