37話「白騎士の心」


  シナリオデモ ブリーフィングルーム
カイ「各作業が終わり次第、 我々はL5宙域のホワイトスターへ 向かう」
カイ「その前にキョウスケ…… お前とエクセレンについての話を 詳しく聞かせてもらいたい」
キョウスケ「……」
カイ「そこからお前たち二人の共通点…… そして、アインストとの関連性が わかるかも知れんからな」
キョウスケ「……了解です」
キョウスケ「おれとエクセレンの 共通点……そして、アインストの声が 聞こえるようになった理由……」
キョウスケ「それらについて 色々考えた結果、シャトルの墜落事故 ではないかと思います」
イルム「あの事故か……」
レーツェル「どのような事故だったのだ?」
ゼンガー「キョウスケが 伊豆基地に配属される前……」
ゼンガー「士官候補生達が 乗ったシャトルが大気圏突破直後に 爆発炎上し、墜落……」
ゼンガー「生存者はわずか2名という 大惨事となった」
レーツェル「その生存者が キョウスケ中尉とエクセレン少尉か」
ゼンガー「ああ、 連邦軍の一部では有名な話だ」
イルム「伊豆にいた俺達の間でも、 えらく運の強い新人が来ると 話題になりましたからね」
ヴィレッタ「……事故の原因は?」
イルム「機体に不備があったせいだと 聞いてますが……」
ギリアム「……事実は違う」
イルム「!」
カイ「調べたのか、ギリアム?」
ギリアム「ええ。 ストーンサークルでの件が気になり……」
ギリアム「俺の方でも キョウスケ中尉とエクセレン少尉の 経歴について調査したのです」
レーツェル「その結果、 シャトル事故が引っ掛かったのか」
ギリアム「ああ」
ヴィレッタ「それで、事実とは?」
ギリアム「……あの事故は シャトルに何者かが衝突して 引き起こされたものだったようだ」
キョウスケ「!」
ゼンガー「何が衝突したのだ?」
ギリアム「資料によれば……あの当時、 各地に出没していたエアロゲイターの 偵察機だと推測されている」
ゼンガー「推測? 何故だ?」
ギリアム「それは……衝突した物体の 破片が回収されなかったからだ」
キョウスケ「……」
ヴィレッタ「不自然な話ね」
ギリアム「ああ。レーツェルが初めて バグスと接触して以来……」
ギリアム「こちらで撃墜…… あるいは墜落したエアロゲイター機の 破片は回収されていたからな」
キョウスケ「……」
ギリアム「そして……不自然な点は 破片の件だけではなかった」
ギリアム「あれだけの事故にも拘わらず、 キョウスケ中尉とエクセレン少尉は 生きていたばかりか……」
ギリアム「彼女に至っては、 焼け焦げどころか、身体や衣服に 何の損傷もなかったという」
キョウスケ「……!」
イルム「そいつぁ、運が良かったって 言葉だけで片付けられはしないな」
ヴィレッタ「キョウスケ中尉、あなたは?」
キョウスケ「……おれは 病院送りになりました。 重傷ではありませんでしたが……」
ヴィレッタ「事故の瞬間のことは?」
キョウスケ「目の前が 爆煙で覆われた時……おれは 隣にいたエクセレンをかばった……」
キョウスケ「そこから助け出されるまでの 記憶はない……」
ギリアム「……」
キョウスケ「いや……あの時、 エクセレンは致命傷を負っていた」
カイ「何だと……?」
キョウスケ「だから、 無傷であったはずがない……」
ギリアム「……」
ギリアム「もしかしたら、 シャトルに衝突したのは エアロゲイターではなく……」
  警報
ギリアム「!」
ユン「本艦へアンノウンが接近中! 総員第一種戦闘配置!」
ユン「繰り返す! 本艦へアンノウンが接近中! 総員第一種戦闘配置!」
レーツェル「アンノウンだと?」
キョウスケ「まさか……!?」


  エクセレン登場、前略
アイビス「エクセレン少尉、 相変わらずみたいだけど……」
マイ「でも、あれは……」
アヤ「何かの念が…… 彼女にまとわりついている……?」
マイ「そう……大きな念……。 人ならざるモノの……」
エクセレン「ん〜、 確かにヴァイスちゃんはちょっと 変わっちゃったけど……」
エクセレン「私に そういうのは憑いてないわよん?」
ギリアム(だが……この違和感は何だ?)
  (中略。エクセレン敵変化、出撃不可etc)
キョウスケ「いかん、 このままでは……!」
エクセレン「……」
キョウスケ(この状況を打開するには……)
エクセレン「……」
キョウスケ(エクセレン……お前を……!)
レフィーナ「キョウスケ中尉! こちらは出撃できるよう 何とか手を考えます!」
レフィーナ「それまでの間、 保たせてください!」
キョウスケ「……」
レフィーナ「どうしました、 キョウスケ中尉!?」
キョウスケ「……レフィーナ艦長、 クロガネとヒリュウに 仕掛けをしたのはあいつだ……」
レフィーナ「!」
キョウスケ「ならば、 おれがあいつを落とせば……!」
レフィーナ「ちゅ、中尉!?」
キョウスケ「方法は……それしかない」
シャイン「ダメ! ダメでございます!」
キョウスケ「!」
シャイン「助けられます! 絶対に! でないと、後悔なさいますわよ!」
アラド「そ、そうだ! 諦めちゃダメだ、キョウスケ中尉!」
ゼオラ「中尉が諦めたら、 エクセレン少尉はどうなるんですか!?」
キョウスケ「だが、あいつは既に……」
アヤ「いいえ、取り戻せるわ! それが出来るのはあなたしかいない!」
アヤ「あなたがエクセレンの心に 強く訴えかければ、必ず……!」
キョウスケ「……!」
イルム「どのみち、 今動けるのはお前しか いないからな。 それに……」
イルム「惚れた女を助けるのは 男の役目だぜ、キョウスケ君?」
キョウスケ「……」
リューネ「それでも エクセレンを落とすなんて言ったら、 承知しないよ!」
キョウスケ「しかし、 そちらがその状況では……!」
マサキ「ヘッ! てめえに心配されなきゃならねえほど 俺達はヤワじゃねえ!」
リュウセイ「だから、 中尉はエクセレン少尉を!」
キョウスケ「マサキ……リュウセイ……」
ブリット「キョウスケ中尉、 チャンスは今しかありませんよ!」
クスハ「キョウスケ中尉の声なら、 必ずエクセレン少尉に届くと思います!」
キョウスケ「ブリット…・・・クスハ……」
ゼンガー「皆の言う通りだ、キョウスケ」
キョウスケ「ゼンガー少佐……!」
ゼンガー「エクセレンに 取り憑いたものを……斬れ。 撃ち貫け」
ゼンガー「そして…… お前の手で彼女を取り戻すのだ」
キョウスケ「……」
キョウスケ「………」
キョウスケ「了解」
ゼンガー「それでいい。 後は我らがいかにして 外へ出るかだが……」
ギリアム「エネルギーフィールドはこちらで 解析する。ラミア、タカクラチーフ…… すまんが、作業を手伝ってくれ」
ツグミ「は、はい!」
ラミア「了解」
テツヤ「よし……! パイロット各員はデッキで待機! すぐに出られるようにしておけ!」
エクセレン「……」
キョウスケ「行くぞ、エクセレン……」
キョウスケ「お前を取り戻す。 このリーゼと……おれの手でな」


  エンドデモ ヒリュウ改医務室
クスハ「……具合はどうですか? エクセレン少尉……」
エクセレン「まだ頭がボーッとするけど、 大丈夫よん。お肌の張りもほら、 バッチリだし」
クスハ「診察の結果、 身体の方に異常はありませんでした」
クスハ「後はラーダさんの方で 何もなければ……」
エクセレン「う〜ん…… そっちはあまり自信がないのよね」
マサキ「ま、どっからどう見たって いつものエクセレンだし、心配する こたあねえと思うけどな」
ギリアム「だが……疑問は残るな」
キョウスケ「ええ……。 奴らがエクセレンをさらった理由…… それがわからない」
ゼンガー「……」
エクセレン「ん〜…… もしかして、私の美貌のせいとか?」
キョウスケ「あり得んな」
ゼンガー「うむ」
エクセレン「あらら、そんな…… 二人して」
ラミア(やはり…… エクセ姉様がああなっていたのは あのヴァイスのせいか……)
  (中略)
キョウスケ「……後は お前がさらわれた理由と アインストについて、だな」
ギリアム「何かわかるか、少尉?」
エクセレン「実は…… 向こうに行ってた時のこと、 あんまり覚えてなくて」
ギリアム「では、例の事故とアインストの 関連性については?」
エクセレン「……あのこと、話したの? キョウスケ」
キョウスケ「ああ」
ギリアム「これは あくまでも俺の予測だが……」
ギリアム「お前達が乗っていたシャトルに 衝突したのは、エアロゲイターの 偵察機ではなく……」
ギリアム「アインストだったのではないか?」
エクセレン「……」
ゼンガー「思い当たるフシはあるか?」
エクセレン「……よく……わかりません」
  (中略)
ラミア「エクセ姉様……アインストの ストーンサークルについては?」
エクセレン「あれはおそらく…… アインストがいる世界と私達の世界を つなげる『扉』の一つ……」
エクセレン「でも、それは不安定で…… いつでも開けるわけじゃない」
ラミア「つまり、 今のシステムXNと同じ……」
ラミア「しかし、アインストは個々が 転移機能を持っています。なのに、 何故『扉』が必要なのです?」
エクセレン「多分…… 別の目的のために……」
ギリアム「……」
ギリアム「では、その目的とは?」
エクセレン「……」
キョウスケ「奴らがいう始まりの地…… 地球とそこで生きるおれ達人類を 滅ぼすことか?」
エクセレン「それだけとは 思ってないでしょ? キョウスケ」
キョウスケ「ああ。地球と人類を 滅亡させることが最終目的なら、 もっと単純な攻めをしてくるだろう」
キョウスケ「奴らは おれ達や地球圏の情勢を探りつつ、 何かの準備をしている」
キョウスケ「そして、何らかの条件…… 自分達にとって必要な物が揃うのを 待っているように思える」
マサキ「必要な物だと……?」
ギリアム「……」
ゼンガー「もしや、キョウスケ…… お前か?」
キョウスケ「いえ、 もうおれは必要とされないようです」
ギリアム「……彼らの声を聞いたのか?」
キョウスケ「ええ」
ゼンガー「では、他に必要な物とは?」
キョウスケ「それは……」
キョウスケ「今、奴らが集中的に 攻撃を仕掛けているホワイトスター なのかも知れません……」
エクセレン「……」



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