16話「第三の凶鳥」


  エンドデモ ヒリュウ改艦橋
レフィーナ「皆さん、よくご無事で……」
リン「そちらも。 ホワイトスターで大規模な戦闘が あったようだが……」
リン「敵はインスペクターか?」
レフィーナ「ええ……」
ギリアム「駐留艦隊はほぼ壊滅……。 その後、セレネを初めとする 月面軍の基地が同時に攻撃された」
リョウト「やはり、 空間転移による奇襲で……?」
ギリアム「ああ。 現在はムーンクレイドルを含め、 音信不通になっている」
リン「そうか……」
ラーダ「他の月面都市は どうなのでしょうか?」
ショーン「インスペクターの攻撃は 受けておらぬようですが……」
ショーン「彼らに制圧されたと見て 間違いないでしょうな」
リオ「じゃ、じゃあ、父様たちは……!」
ショーン「おそらく、 インスペクターの手中に……」
ラーダ「……」
リオ「……父様……みんな……」
ショーン「どうやらインスペクターは 兵士以外のものを極力現地調達する つもりのようですから……」
ショーン「生産力のある月面都市や そこに住む人間に対し、必要以上の 手出しはしないでしょう」
リオ「じゃあ、父達は……?」
ショーン「ご無事だと思われます。 後はどうやってあの方達を救出するか、 それを考えましょう」
リオ「は、はい……!」
リン「……レフィーナ艦長、 ヒリュウ改はこれからどうするのだ?」
レフィーナ「コロニーへ向かい、 L4宙域軍と合流する予定です」
リューネ「あそこは まだインスペクターの攻撃を 受けてないみたいだからね」
リューネ「あたし達も行って、 月やホワイトスターの奪還作戦に 参加するつもりだよ」
ギリアム「そのことなのだが……」
ギリアム「レフィーナ艦長、 ヒリュウ改は地球へ向かって いただきたいのです」
レフィーナ「え……?」
リューネ「まさか、このまま尻尾を巻いて 逃げろって言うの?」
ギリアム「いや、そうではない。 おそらく、インスペクターの 次の目標は地球……」
ギリアム「そして、彼らは マオ社同様、テスラ・ライヒ研究所を 占拠しようとするはずだ」
リューネ「あそこで作ってる機体を 手に入れるために?」
ギリアム「ああ」
ショーン「ふむ……テスラ研の機体を インスペクターに奪われ、量産されでも したら厄介なことになりますな」
ギリアム「ええ。ケースEの発令で 警戒態勢が強化されているとは言え、 連邦軍の苦戦は必至……」
ギリアム「テスラ研の防衛に 手が回らぬ恐れがあります」
ショーン「故に、我々で開発中の機体を ピックアップしろと……」
ギリアム「ええ、後々のために」
ショーン「しかし、この位置からでは 到底間に合いませんぞ?」
ギリアム「実は、 テスラ研の機体引き上げに関しては 既に私の方で手を打ってあります」
ギリアム「しかし、最悪の事態に 備えるためにも、ヒリュウ改には 北米へ向かっていただきたいのです」
レフィーナ「……わかりました」
リン「では、我々もそれに同行しよう」
レフィーナ「しかし、あなたや博士達を 戦闘に巻き込むわけには……」
リン「まだ調整が必要な機体もある。 出来れば、艦内で作業を続けたい。 それに、いざという時は……」
ラーダ「ま、待って下さい。 社長の身に何かあったら大変です」
リョウト「そ、そうです。 マオ社の将来のためにも…… 戦闘は僕達に任せてください」
リン「……わかった」
ヴィレッタ「……ギリアム少佐、 あなたはどうするの?」
ギリアム「すまんが、しばらく別行動を とらせてもらう。調べなければ ならないことがあるのでな」
ヴィレッタ「……」
レフィーナ「では、針路変更…… 本艦はこれより地球へ向かいます」


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