エンディング(両編共通)



  ヒリュウ改格納庫
ギリアム「…ヴィレッタ、 君とイングラム少佐は……」
ヴィレッタ「あの人はネビーイームを 造った者達の代行者…」
ヴィレッタ「対象となる文明を 発見した場合、自動的に中枢である ジュデッカと共に目覚め…」
ヴィレッタ「優れた『兵器』の 選抜と育成、収集という任務を 遂行するための存在…」
ギリアム「………」
ヴィレッタ「けど、イングラムは 何らかの理由で創造者のプログラム 通りに覚醒せず…」
ヴィレッタ「ひどく不安定な状態で、 予定外の人格を持ってしまった…」
ギリアム「不安定で…予定外?」
ヴィレッタ「そう。 ジュデッカという枷の下で、  かろうじて保たれている人格…」
ヴィレッタ「そして、イングラムは それを確立させようとしていたのよ」
ギリアム「…ジュデッカの支配から 逃れ、完全に自立するためにか…」
ヴィレッタ「…ええ」
ギリアム(では…彼が複雑な内面を 持っているという予想は… 当たっていたのだな)
ギリアム「…一つ、疑問がある。 君は何故、ジュデッカの支配を 受けていなかったのだ?」
ヴィレッタ「イングラムは ジュデッカの支配力が それほど強くなかった頃…」
ヴィレッタ「自分の代行者として、 一人の複製人間を作り出した」
ギリアム「それが君か…」
ヴィレッタ「ええ。私の本当の名前は ヴィレッタ・プリスケン…」
ヴィレッタ「…私の存在は ジュデッカにとってイレギュラー…」
ヴィレッタ「だから、 枷を与えられていなかった」
ヴィレッタ「そして…イングラムが、 完全に支配されてしまった時に 備えて…」
ギリアム「こちら側と向こう側を 行き来していたというわけか」
ヴィレッタ「ええ…。 つまり、私は二重スパイ……」
ヴィレッタ「…フフ…他のみんなには 言い訳のしようがないわね…」
ギリアム「………」
ギリアム「…最後に 一つ質問をさせてくれ」
ギリアム「あのネビーイームは 何者によって造られたのだ?」
ヴィレッタ「『帝国監察軍』、または  『バルマー』と呼ばれる者達…」
ヴィレッタ「でも、私はもとより、 イングラムでさえも、彼らに関する 詳しい情報は与えられていない」
ギリアム「では…?」
ヴィレッタ「…ネビーイームは 創造者から与えられた命令どおりに、 宇宙空間を移動し…」
ヴィレッタ「地球を発見して、 メテオ3を落下させ…」
ヴィレッタ「『兵器』を育て、収集し、 いずこかへ持ち運ぼうとしただけよ」
ヴィレッタ「創造者たちが どこにいるか…今も存在しているか どうかは不明だわ」
ギリアム「そうか…」
ギリアム(…南極で接触した異星人が バルマーであるかどうかも、 定かではないということになるな)
ギリアム(いずれにせよ…銀河に 存在する文明は、一つではない…)
ギリアム(それどころか… 我々の想像を超えたモノが 混じり合う世界…)
ギリアム(…実験室のフラスコか…)
ギリアム(…だとすれば、 その実験の結果は……………………)
ヴィレッタ「………」
ギリアム「…ヴィレッタ。 この後、私は情報部へ戻る」
ギリアム「おそらく、戦後処理や ホワイトスターの調査などで 忙殺されることになるだろう」
ギリアム「そこで… 出来れば、君の手を借りたい」
ヴィレッタ「………」
ギリアム「君の知識と技能を見込んで、 情報部にスカウトしたい。無論、 君の正体を公にするつもりはない」
ヴィレッタ「…ごめんなさい。私には イングラムから与えられた使命…」
ヴィレッタ「あの人が育てた SRXチームと行動を共にすると いう使命が残っている」
ギリアム「…やはり、そうか。 なら、無理は言うまい」
ヴィレッタ「でも、私の知識が 必要になったら、いつでも呼んで。 協力させてもらうわ」
ギリアム「すまない」
ヴィレッタ「それから、少佐… 最後にお礼を言わせて」
ギリアム「礼?」
ヴィレッタ「そうよ。あなたは 私のことを信じてくれたから…」
ギリアム「フフ…それはお互い様さ」




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